浜松子ども支援NET様の講演会に電子チェックインシステムのご協力をしました

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株式会社フォルダです。

春先に、浜松子ども支援NET様より「設立記念講演会」のご相談をいただきました。

浜松子ども支援NET様は、浜松エリアで発達障害など子どもの支援に携わる4つの団体がスタートした、困難を抱える子どもたちやご家族を支援する団体の集まりで、横の連携を進めて行き、支援の輪を広げていこうということで、今回、設立にあたり記念講演会を開催されました。

はままつ子ども支援NETのフェイスブックページ
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アクティブ(保護者と支援者の会)
https://active.hamazo.tv/
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公益社団法人 子どもの発達科学研究所
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NPO法人 はままつ子どものこころを支える会(すまいる)
https://www.kodomosmile.net/

NPO法人 しずおか・子ども家庭プラットフォーム
https://www.npo-platform.com/

最初は当社に「申込みフォームが用意できないか」というご相談でした。フォームにより予め必要事項を入力していただき、excelシートを印刷して当日チェックを行いたいとのことでした。

医療福祉関連の学術集会や講演会は、その多くがメールで受け付けて、事務局の方がexcelシートに転記したり、フォームも最近利用されることが多いですが、フォームからの情報をメールで受けて転記や、excelシートになっていても印刷して当日に蛍光ペンで名簿をチェックするという、どちらかというとアナログな人海戦術がまだまだ多く見られます。

そんなわけで、開催時の受付にはたくさん人が必要で、いくつかの窓口に分けた名簿を合算する作業もなかなか大変です。

そこで、申込みフォームだけでなく、電子チェックインのご提案をさせていただきました。




電子チェックインとは、フォームに必要事項を記入していただき、電子チケットを申し込んでいただきます。当日は、自動的に発行されるQRコードを端末にかざすだけで、チェックインが完了するので、名簿照合の必要はありません。

開催前の申込み条項はリアルタイムにわかり、仮に不参加の場合でも、申し込みされた方ご自身で取り消しができ、事務局とのメールのやり取りの手間が省けます。

活用事例としては、コンサートなどで「eチケット」のようなQRコード入場や、航空券のスマホチケットなど、意外と身近です。しかし、学術集会や講演会では、意外と使われていません。

当社でも、数年前にGoogle Spread Sheet(グーグルフォーム)とFileMakerを組み合わせ、グーグルフォームでお申し込みいただいたものを即座にメールでチケットとして発行し、それを当日にiPhoneにインストールしたFileMaker Goを使ってチェックインを行う、という簡易的な電子チェックインシステムを試作したことがあります。

それから数年、世の中にはもっと便利な仕組み(決済機能が付いていたり)がたくさん登場しました。当社はそこまではフルスクラッチでの自社開発というところまではお恥ずかしながら技術力あありませんが、既存のサービスを選定し、それを組み合わせて使いやすくご提案させていただくことは得意なところです。

今回、ヤフー社の電子チケットシステム「パスマーケット」を、運用協力を含めてご提案させていただきました。

いくつか同様の電子チケットシステムが各社から登場していますが、今回選定のポイントがいくつかあります。

1.運用しやすいこと
2.無料で使えること
3.データの活用

運用のしやすさについては、専用端末を用いることなく、個人が持っているスマホに読み取りアプリを入れるだけで、QRコードの読み取りから名簿チェックまで全部できてしまいます。混雑時に運用を補助する(読み取りの人を増やせる)アシスタント機能もあり、iPhoneだけでなくAndroidにも対応していますので、当日何かあってもアプリをインストールすれば対応できます。

ただ、これに関しては、「得体の知れないものを個人のスマホで行いたくない」という意見もあり、当社で何もデータが入っていないiPhoneを2台用意しました。

当初は、Android端末(Google Nexus)を用意したのですが、テストを行ったところ、カメラの読み取り性能が不十分なことが判明し、ピントが合いにくかったり、画面フィルムによっては読み取りできなかったり、という問題が見つかりました。できればAndroid端末を活かしたいところだったので、ヤフー社と何度か連絡を取り合い、Android版のアプリでは、空港にあるような、画面を箱型の窓にかざすUSB接続のQRコードリーダーや、Bluetooth接続のバーコードリーダーを接続できることを教えていただきました。しかし、接続機種が限定されており、仕入れた海外製の(若干安い)リーダーは全滅でした。

個人的に使用しているiPhoneでは、かなりの高確率で読み取り精度が良いということが実験でわかっていたので、最終的にSIMフリーのiPhoneを2台仕入れ、これでテストを行ったところ、ほぼ100%に近い素晴らしい成果を上げました。当日も、読み取りエラーはほとんど出ていません。

無料で使えるということに関して、浜松子ども支援NET様はまだ発足したばかりで手弁当的に各加盟団体がお手伝いしており、講演会参加費も500円と会場代と資料代実費のような形でのものでしたので、ここに使用料を乗せるわけにはいきません。そこで、「無料のイベント」であれば使用料が無料であるパスマーケットが最適でした。パスマーケット側も「電子チケット自体は無料、当日参加費をいただきます」という形式は認めており、今回は「整理券を無料でお配りします」ということで当日に現金決済を行うことで、決済手数料を発生させないようにすることができました。

データの活用という点でも、パスマーケットは優れていました。申込みフォームには、基本情報だけでなく、アンケートを取る機能もあります。事前に事務局よりいただいたアンケート内容を、申込み時に記入していただくことができました。それを含めたデータがexcelの形式で簡単にダウンロードできます。申込みいただいた方々に、個別や一斉にご連絡を配信することも可能でした。今回は、メールでの受付も別口で行っており、事務局からはそれをパスマーケット側にインポートして参加者の一括管理ができないかというご意見をいただきましたが、そのような機能はなかったものの(手動で入力すれば可能ですが複雑なので行わないほうが良いと思いました)、メール側で申込みがあった数を、パスマーケット側での残りチケット枚数に反映させることは可能でした。

パスマーケットはなかなか優れたシステムであり、これだけを用いて電子チケットや電子チェックインを行うことが可能です。ここに、ちょっとしたエッセンスを加えて、より使いやすいように当社で「入り口」を作らせていただきました。

基本的に講演会の情報はチラシなどアナログ媒体で回ったり、メールなどで広がっていきます。そこに、パスマーケットのチケット申込みサイトのURL(ホームページアドレス)をそのまま載せると、ものすごく長く、たくさんの文字が組み合わさり、誤入力でたどり着かないおそれがあります。QRコードを印刷し、それをスマホで読み取っていただくにも、文字数が多くなればなるほどQRコードは細かくなりますし、PCからはQR読み取りができません。短くてシンプルなほうが、掲載するURLには適しています。

また、電子チケットが初めてという方もいらっしゃるかと考え、簡単な申込み方法の解説も掲載した、いわば「ゲートウェイ」になるサイトを当社のウェブ制作部門で制作しました。それが、「フォルダ・イーパス」です。

https://epass.folder.co.jp/

これにはもうひとつメリットがあります。今回は用いませんでしたが、パスマーケットには「指定したサイトからだけパスマーケットにアクセスできる」という機能があります。それを使うと、イーパスサイトでリンクを閉じれば、どこからもアクセスできません。パスマーケットのコントロールがより可能となるのです。例えば、パスマーケットを使用することをやめてメール申込みだけにするなどの事態が発生しても対応が可能です。

フォルダ・イーパスは、今後、当社がサポートする様々なイベントや講演会、学術集会などのゲートウェイに活用していく予定です。



浜松子ども支援NET様とは、事前に何度か会合に参加させていただき、数百枚のダミーチケットを発行し、読み取りテストにご協力いただきました。初期段階ではうまく読み取れず、当社としてもまったく自信が持てず、「万が一の場合は紙チェックでお願いするかもしれません」と半べそをかいていました。何度かご協力いただきながら読み取り機種やベストな設置位置を見つけることができましたが、その間も当社の技術力不足を何か言うでもなく、「今後こういうふうになっていく先駆けだ。きっとうまくいく」と励ましていただいた浜松子ども支援NET様温かいお気遣いに助けていただきました。

そして、マニュアルを作成し、当日の電子チェックインと受付の人員サポートも当社で行わせていただきました。もちろん、浜松子ども支援NET様の会員様や事務局関係者様とご一緒にです。当日受付やメール受付の方は、事務局のほうの有人受付にご案内し、電子チケットをお持ちの方には専用のゲートをご用意しました。

参加費が500円とキリが良い金額でしたので、「お釣りが不要な方」専用の高速チェックインゲートと、お釣りが必要な方に会計のあるゲートの2レーンです。当日は「お釣りが不要な方」が多かった印象です。

お並びいただいている間に、「スマホのQRコードをご用意ください」とアナウンスしました。QRコードをどう出していいのかわからない方は、お名前だけいただきました。今回はほぼいらっしゃらなかったのですが、どうしてもQRコードを読み取れない方には、チケット番号をおっしゃっていただければ、お名前や番号を受付でメモしておいて、後から電子的に名簿の消し込みを行うということで、その場で無理にQRコードによる電子チェックインをしなくてもご入場いただけるようにしました。

そんなこともあり、大きなトラブルもなく、意外とすんなり高速に皆様チェックインされていきました。ちょっと未来的で楽しい電子チェックインを体験していただけたかなとも思います。

高速チェックインゲートのほうには、当社社長がひとりで「箱にお金を入れてください」と言いながら、入場券と資料を渡し、「ここにスマホをかざしてください」とご案内しました。あまりにもすんなりチェックインが完了するので、「これはいろいろなところで活用してほしいなあ」と言っていました。

それこそ、先にクレジットカードなどで決済を完了させておけば、当日はお金のやり取りもなく、電子チェックインだけでもっとスマートに受付することができるでしょう。それには、手数料のことも考えなくてはいけませんが、今回3人配置したお釣りがいる方用ゲートも1人で済む(それをなくすこともできる)と考えれば、かなり安上がりではないかと思います。

イベントの種類により、参加年齢層も様々です。今回、電子チェックイン以外の、メール申込みや当日受付は、ざっと見た感じでは年齢層の高い方が多かったように思います。電子チケットはスマホが必須です。QRコードを印刷するオプションもあるのですが(数名いらっしゃいました)、スマホやパソコンを普段お使いでない方は、従来の申込み方法のほうが良いです。

ですが、参加者層がある程度固定して想定できる学術集会などでは、メインは事前決済を含めた電子チケットにして、小さく有人受付を用意し、そこに最近話題の「なんとかペイ」のQRコード決済や当日クレジットカード決済なども入れ、現金レスな受付にすることも可能でしょう。今回も、現金がちゃんと合っているかどうか計数するのに時間がかかっていたようです。

次回はいつになるかわかりませんが、事前決済や当日の現金レス決済をご提案していきたいと考えております。

ここまでいろいろ書くと、パスマーケットを活用してご自分でも電子チケットや電子チェックインを導入できることがおわかりかと思います。ぜひ皆様、電子チケットを小規模な集まりから大規模なイベントまで活用してみてください。

でも、なんだかよくわからない、難しそう、という方もいらっしゃると思います。そんな方は、ぜひ当社にご相談ください。当社はそういった「自分でもできるかもしれないけれど、誰かに頼んだほうが確実だなあ」というニーズにお応えすべく、世の中の「いいもの」を探し出し、組み合わせてご提案することが強みです。




 
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